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蓮の花

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だらだらと上野下れば蓮の花(正岡子規)

朝から太陽が照り付けている。暑さのせいにはしたくないのだが、御徒町駅を乗り過ごしてしまい上野駅まできてしまった。「アジャ~!やっちゃった!」が。時計をみたら、7時45分だ。上野公園口から上野動物園の入り口を横目に不忍池に向って階段を降りたら、蓮の花が咲いていた。

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私の子供達の祖父が上野の近くに住んでいたので、蓮の花の咲くころには、毎朝早くここにきて蓮の花をスケッチしていたということを思い起した。そのスケッチの効果が、蓮の花の上に立っている観音様に。

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蓮の花は泥沼に咲くらしい。私が尊敬する青山尼僧のお書きになった「泥があるから、花はさく」を書棚から引っ張り出してきた。

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高原陸地に蓮花生ぜず 卑湿汚泥にこの花生ず『維摩経」。乾燥した高原や陸地や清流には蓮は育たず、泥沼、泥田の中にしか花は咲かない。泥がなければ花は咲かないというのだそうだ。「泥中の蓮花」・「泥多ければ仏大なり」

仏の教えは、泥中に咲く蓮花にたとえて説かれている。心に沸き起こる自分でも目をそむけたくなるような嫌な感情の泥がうずまき、ときに噴き出す。この苦しみが泥だとすると、、、。

「泥がなければ花は咲かない」となると、泥が大事、泥が材料。苦しみや悲しみという泥、これが原因となってその苦に導かれてよき師、よき教えにという縁に出会うことで、泥は肥料と転じ、美しい花という果を咲かせる。これが仏教の因果論というらしい。

御徒町駅を乗り過ごして上野駅まで行ったおかげで、少し前頭葉が刺激されたようだ。ありがたい。

 

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