« 2023年3月 | トップページ | 2023年5月 »

2023年4月

曽根崎心中

Img_8278

未来成仏うたがいなき恋の手本となかりけり

Img_8272

大阪の堂島に一泊して、翌朝は、ホテルから歩いて2分のところにある露天神社へ。

曽根崎心中の題材となった事件の現場。曽根崎心中とは、一言でいえば、相思相愛の若い男女の心中の物語だ。西洋のロミオとジュリエット版かも。

1_20230430143501

1703年5月22日の早朝に大阪堂島新地天満屋の女郎「はつ(21歳)」と内本町醤油商平野屋の手代である「徳兵衛(25歳)」が情死した事件を題材にしている。今生では、結ばれなかった男と女が、来世でふたりの愛が結ばれることを誓った心中事件だ。

Img_8279

「この世のなごり、夜もなごり、死にゆく身をたとうれば、あだしが原の道の露」お初さんと徳兵衛さんが命懸けで恋を全うした。恋って、命懸けでするもんなんだ。AIは無理だろうなぁ~。

Img_8280-1

ここは恋人の聖地らしい。

Img_8281-2

老いらくの恋に出会いますようにと、手を合わせた。が、お賽銭は少々だったから期待しないでおこう。

 

| | コメント (0)

西行桜

Img_8317

青葉さへ見れば心にとまるかな散りにし花の名残を思えば(西行)

4月22日の朝、品川発の新幹線にて新大阪に。大槻能楽堂にて行われる令和5年度大槻能楽堂自主公演能「能の魅力を探るシリーズ、大槻文蔵と読み解く能の世界」を学ぶために出かけた。久しぶりの1泊2日の旅なので、ワクワク。前頭葉が少し刺激されているようだ。

会場は満席。隣や前の席には、超高そうな大島紬を着られている素敵なおば様たち、後ろ横には時々テレビで拝見する人が。

第1部は、「世阿弥から禅竹へ受け継がれる幽玄の論理」と題して、村上先生と大槻先生との解説、とても小気味よいお話があり、第2部は、「狂言名取川」。

いよいよ第3部は「西行桜」。梅若流三世の梅若万三郎氏がシテで老桜ノ精。ワキの西行上人には福王茂十郎氏、ワキツレの花見人には茂十郎氏のご子息たち、地頭に大蔵文蔵氏(文化功労者・人間国宝)、太鼓は三島元太郎氏(人間国宝)という錚々たるメンバー。

以下西行桜のあらすじ。

都・西山に隠棲している西行法師の庵室は、今が盛り。今年は花見禁じると触れされるが、それでも噂を聞きつけた人々が大勢訪れる。仕方なく受け入れたものの、内心はうんざりしている西行は、せっかくの閑居が妨げられるのは桜の罪だと、つい歌にして愚痴をこぼす。するとその夜、老木の朽ちた空洞からは白髪の桜の精が忽然と現れて、西行の歌の真意を問いてきた。

私は、公益財団法人梅若研能会にご縁を頂いているおかげで、この日は事務長さんと大阪まで出かけた。白髪の桜の精を演じたのが、梅若研能会の代表理事の梅若万三郎氏だ。面を付けずの下面での一挙手一動に、見入ってしまった。プロの幽玄の世界を堪能した。

 

| | コメント (0)

紫蘭

Img_8219

雨あがり道端に咲く紫蘭かな

4月16日目黒駅から祐天寺駅まで歩いた。大好きな友人から、「私達共通の友人の息子が区議選に立候補したので、祐天寺の駅歩いて3分のところで出陣式があります。一緒に行きませんか」との、ラインが。

『誘われたら断らない』を、このところ心掛けているので、「行きま~す!」

いよいよ、区長選と区議選が始まった。23日の投票日まで1週間の選挙選だ。私は23年前の50歳の時に、1週間ほど選挙事務所の近くのビジネスホテルに宿泊して、選挙運動を手伝ったという体験がある。懐かしく思い起こしている。

ネット社会になった今どきの選挙と違って当時の選挙は、選挙カーに乗っての名前の連呼、町や村の寄り合い所での演説会等の準備、学校の卒業名簿等で電話がけ、事務所に来られる応援者の人へのお茶出し、といれ掃除、、、。学生時代の運動部の合宿のような朝から夜まであっという間の1週間だった。

私がお手伝いした選挙選は衆議院議員の選挙で、選挙区は壱岐対馬・五島列島の離島を入れた長崎2区だった。なんで、この私が長崎くんだりまで、、、。が、おかげで思いがけない体験をいっぱいさせてもらえたのだ。

| | コメント (0)

カラスノエンドウ

Img_8191

カラスノエンドウにかくれて姉の泣く

高尾にある霊園のお墓の端に、カラスノエンドウが可憐な花を咲かせていた。私がおかっぱ髪の頃、学校の行き帰りの道端や野原にいやというほど咲いていた。この季節になると、ふるさとの山里の風景が目に浮かんでくる。

可愛い花の正式名は、ヤハズエンドウ。カラスノエンドウは俗名だ。その由来は、果実(豆)がカラスの羽の色のように黒く熟すからといわれている。

普段は気丈な姉が、娘と夫が納骨されている墓の前で手を合わせて祈っている。後ろ姿が小さく見えた。5月4日は父の命日だ。私が20歳の時に父がなっなった。今、私が73歳だから53年も経っている。姉を誘って墓参りに行こう。

| | コメント (0)

たんぽぽ

Img_8190

たんぽぽの咲くを笑ふと思うかな(辻美奈子)

4月8日に高尾に行ったときに目にとまった一輪のたんぽぽは、笑っているようだった。霊園に向かう途中の土手に咲いていた。墓前での礼拝で、牧師先生が星野富弘氏のことを話されていたことを思い起している。

星野氏は、私と同じ群馬県生まれで群馬大学卒業後の1970年の4月に、体育教師として高崎市立中学校に赴任した。クラブ活動で空中回転の模範演技をして、誤って頭から転落。第4頸椎骨折、手足が麻痺、手足の自由を失ってしまった。

1972年12月、ベットで横向きになってガーゼを巻いたペンを口にくわえ、持ってもらったスケッチブックに向かった。口で初めてかいたカタカナの「ア」。

それから、絵が描けるようになり、手紙がかけるようになりと、、、。星野氏の作品には、たんぽぽが沢山ある。「たんぽぽが元気をくれそうです。ポカポカと温かいですね~!」「透明な黄色がとてもすてき~!」。

私の息子は第1頸椎がなく、右手は不自由だがなんとかひとりで、日々の生活が出来ている。感謝せねば。

 

| | コメント (0)

審判書

17844368168107-1

水仙や温かき庭で誇りおり

大好きな友人から庭にたわわの咲いている水仙の写真が、ラインで送られてきた。便利な世の中になっている。ありがたいことだ。自分の庭のようか気持ちになって、「ああ~!幸せ!幸せってこんなもんだよ庭のはな」

さて、東京家庭裁判所家事第1部からの審判書を受け取った。

後見開始の審判申立事件。本件について、当裁判所は、その申立を相当と認め、次のとおり審判する。

主文

1、本件について後見を開始する。

2、本人(被後見人)の成年後見人として次の者を選任する。阿部麻子

最初のお読みください。

1、初回報告として財産目録及び年間収支予定表を作成して令和5年6月7日までに、後見センター宛てに提出して下さい。

はい!承りました。

ここで、否更ながらの確認。

成年後見人制度とはどのような制度かというと、認知症、知的障害、精神障害などの理由で判断能力の不十分な人達は、不動産や預貯金などの財産を管理したり、身のまわりの世話をするために介護のサービスや施設への入所に関する契約を結んだり、遺産分割の協議をしたりすることが難しい場合がある。また、自分に不利益な契約であってもよく分からずに契約を結んでしまうことがあり、世にいう「悪質商法」の餌食になってしまうことがある。

このような判断能力の不十分な人達を保護し、支援する制度だ。仕事としては、身上保護と財産管理だ。4月なので、新入社員のように初々しい気持ちで仕事をしたいものだ。

 

| | コメント (0)

チューリップ

17922462057519

チューリップ朱の深ければ哀しとも(角川照子)

4月8日の日曜日に高尾にある東京霊園に墓前礼拝に行ってきた。12年前に亡くなった姪(姉の二女)と2年前に亡くなった義兄(姉の夫)のお墓の前で、牧師先生の奥様の伴奏で讃美歌を歌い、牧師先生の祈りとお話しを伺ってきた。

友人からチューリップの花畑の写真が送られてきた。思わず、「咲いた咲いたチューリップの花が並んだ並んだ赤白黄色、どの花観てもきれいだな!」口すさんだ。亡くなった姪と一緒に歌ったことを思いだした。

「一年生ランドセルが歩いている」亡くなった姪が、一年生になったときに姉が作った句だ。小さくて可愛いお人形さんのような娘だった。

17922462044254

| | コメント (0)

八重桜

17933272095763

咲みちて散るを急がず八重桜(高浜年尾)

八重桜は、八重咲きの桜のことだ。4月末から5月上旬の咲くのだが、昨今の気候温暖化のせいか3月末から4月上旬に咲いていた。他の桜と違って花はあでやかで、艶っぽい。

ここ十年ぐらいは、成年後見人に新しく就任することは遠慮していた。一時は10人位の被成年後見人の方たちの財産管理と身上保護に成年後見事務を粛々としていた。次から次へとお逝送りをして、今は2人だけになってしまった。「70歳過ぎているからもう新しく成年後見人には、なれないかも」と、思っていたのだ。

ところが、先日、司法書士会台東支部の若手の司法書士から「麻子先生に成年後見人になってもらいたい、新規の案件があるんですが、お願いできますでしょうか。」と、の電話が入った。「難しい案件?」「はい!」。「謹んでお請けします。」

かっこつけちゃったかな、、、。こんな句もあるから「遅れ咲くこと貫禄の八重桜」(鷹羽狩行)よしとしよう。

とはいうものの、「大丈夫だとうか」と、気弱に、、、。そこで、気分転換に、上野の不忍池に出かけると、なんと八重桜の花が。

Img_8178_20230407095801

綺麗なお姉さんには艶やかな八重桜がよく映る。

Img_8174

小さな可愛い女の子と目があって、「ハ~イ!、カワ(・∀・)イイ!!」パパさん「アリガトウゴザイマス」それから、しっかりとした日本語でお喋り。パパさんが、「一緒に写真とりましょう~!」「サンキュ~~!」はいチーズ。

元気になったので、東京家庭裁判所後見センターには笑顔で行こう。

 

| | コメント (0)

葉桜

71cbe75f7752da6009fc22a118455f98762f9be8

葉桜や木漏れ日恋し寺の石

桜の花が散って花吹雪となって去ったあとは、葉桜が花曇りのなかに咲いていた。満開の桜は華やかで素敵だが、葉桜も趣があっていいもんだ。写真を送ってくれた友人からのショートメールに「満開の枝垂桜を想像してみて下さい。来年満開の桜の写真を送りたいものです。」すぐに返信、「葉桜もそれなりに趣があって捨て難しです。花が散ったあとのなんともいえない落ち着きもいいもんです。来年まで老体に鞭をうって元気でいましょう。」

さて、4月4日に被後見人の97歳のTさんの葬儀が済んだ。斎場には私と葬儀社の人と2だけで火葬をして、お遺骨はお寺さんにお連れしてお預かりしてもらった。成年後見人としての仕事は終わった。が、速やかにリーガルサポートセンターに死亡の届出、入居していた施設のお部屋の片づけ等々、やるべきことが目白押しにある。やることがあることに感謝。

17910636177379

 

| | コメント (0)

散る桜

17905470122929

散る桜残る桜も散る桜(良寛)

大好きな友人から「松戸にあるお寺に行ってきたので、写真を送ります。」とのことでいただいた写真だ。あまりにも素敵なので、了承を得てこのブログにアップした。

良寛さんは、桜は散る、命は散る、必ず散りゆくこの命とはなんなのか。人はその人生において本当に考え抜くべき問いを残してこの世を去った良寛さんの「辞世の句」なんだそうだ。

17905470153469

因みにだが、良寛さんには、「裏も見せ表も見せて散る紅葉」という句もある。

17905470135206

ところで、3月23日に演劇界を代表する劇団民藝の共同代表を務める女優の奈良岡朋子氏がお亡くなりになった。93歳だった。私は、彼女のファンで、2022年2月にパルコ劇場で行われた朗読劇「ラヴ・レターズ」を観てきていたので、そのときの姿を思い起こしている。20歳以上年下の岡本健一氏を相手に、恋する女性をときに可愛らしき、ときには色っぽく、切なく、、、。

奈良岡氏は生前、亡くなった後に公開するコメントを残されていた。

「新たな旅が始まりました。旅好きの私のことです。未知の世界への旅立ちはなにやら心が弾みます。向こうに着いたらすぐの宇野さんを尋ねます。もう一度、あの厳しい指導を受けます。それから裕ちゃんや和枝(ひばり)さんと思いっきり遊びます。」

結びの言葉が素敵だ。「これが別れではないですよ、いつかまたお会いできますからね。それでは一足お先失礼いたします、皆様ごゆっくりといらして下さい。」

今生でしっかりと自分の道を歩んでこれた方だからのお言葉だ。素晴らしい先輩や友達は、かけがえのない宝物なんだ。

私はまだ73歳だから93歳までは20年ある。素晴らしい先輩にはしっかりとご指導を受け、友達とはしっかりと遊そんでからゆっくりとあちらに行きたいものだ。。

| | コメント (0)

« 2023年3月 | トップページ | 2023年5月 »