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2022年9月

百花その2

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「百花」スペインの映画祭で最優秀監督賞を受賞

認知症になった川村監督の認知症になったお祖母様の原体験をもとに認知症になっていく母と息子の物語だ。

スペインの映画祭には、主役の原田美枝子さんが、黄色の着物姿でレッドカーペットに川村監督のエスコートで登場。スペインのサンセバスチャンでの上映会でのエンドには、会場が拍手喝采に包まれたとのこと。

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映画を観て原作を読み終わって叫んだ。「認知症になる前に死ぬ」。

 

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百花

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人は記憶でできている。

原田美枝子さんが主役の映画「百花」を日比谷の映画館で観てきた。記憶を失っていく母親と、その母と向き合うことで思い出を蘇えらせていく息子とが、親子の愛を紡ぎ出すという映画プロデューサー・脚本家の川村元気氏が2019年に発表した小説「百花」の映画化だ。

川村元気監督自身の認知症になった祖母との原体験をもとに、母と息子二人で生きてきた親子の愛と記憶と、忘れられない事件をめぐる物語だ。

観終わったあと、なんだかスッキリしない。ワンシーンワンカットの映画なのかもしれないが、物語の流れについていけない。もやもや感が消えないので大きな書店に行って、文春文庫になっている原作を購入した。

ページを開く、「ドアを開けると黄色の空が広がっていた。雲ひとつないが太陽も見当たらない。」えっええっえ!黄色の空って、どんな空なんだろうか。

 

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秋薊

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秋薊峰よりも蝶の荒々し(滝春一)

9月25日日曜日、台風一過で朝から洗濯日和だった。9月2日に孫娘がスペインに帰ってから、気が抜けてしまっていた。

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孫娘が使っていたタオルケットとシーツを洗濯して、青空に干した。青空に向かって深呼吸した。

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歩いてから5分のところにある自然園に出かけた。「65歳以上は無料」。

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自然園には、おひとり様の65歳以上のおじいさんとおばあさんがあっちこっちに。

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都会の一等地での散策は超贅沢。木々に囲まれて心がまったりゆったり、ありがたいことだ。

あざみの歌のあのメロディーが、浮かんできた。そこで、ネットで調べてみると、あの歌は1949年にNHkラジオ歌謡で発表された日本の歌謡曲だ。ということは、私が1950年生まれだから73年前にできた歌だ。

山には山の愁いあり 海には海の悲しみや ましてこころの花園に 咲きしあざみの花ならば

高根の百合のそれよりも 秘めたる夢をひとすじに くれない燃ゆるその姿 あざみに深き わが想い

いとしき花よ汝はあざみ こころの花よ汝はあざみ さだめの径は涯てなくも かおれよせめてわが胸に

昔の歌謡曲は深い。

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月下美人

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薄命の月下美人が秋の夜に

大好きな友人から「ベランダに夜月下美人が咲きました」と、写真が送られてきた。月明りの下で妖艶に咲き、濃密な甘い芳香を放って翌朝はしぼんでしまう。

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一夜かぎりの花の命に、思わずため息がでた。もし神様が、「生まれかわれるとしたら、何にうまれたいか」と、問われたら、「月下美人」と、答えよう。

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白芙蓉

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白芙蓉朝も夕も同じ空(阿部みどり女)

いつものように朝5時に目が覚めて、6時25分から10分間テレビ体操をして隣のブリリア目黒タワーの庭を通って目黒駅に。

庭には、白芙蓉が咲いていた。芙蓉は一日花で一日でしぼんでしまい咲き終わると薄緑色に包まれたつぼみのような果実ができる。

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9月21日は、世界アルツハイマーデーだった。「認知症なったとしたらそのときは」ある有名な損保会社の新聞広告に出会った。

「認知症になったらそのときは笑って過ごせる日々にしようね」

芙蓉の花のように一日だけの命だったら認知症の不安なんかないかもしれない。

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戻橋

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上品で優美な娘は実は鬼だった。

私の尊敬する税理士の先生は実は女流舞踏家だった。半蔵門にある国立劇場大劇場に、久しぶりに友人を誘って行ってきた。12時に、半蔵門にある友人のレストラン「アルゴ」で、美味しいフレンチをいただいてから「推薦名流舞踏大会の戻り橋」のお舞台見物に。

鬼が現れ人を食い殺すと噂の京都の一条戻橋で、鬼退治で有名な武将が戻り橋で鬼女と出逢い、その腕を切り落とした伝説を元にした作品。

普段は、バリバリと税理士の仕事をする先生が、艶っぽい姿で優美な舞を披露。色仕掛けで、イケメン武将をたぶらかせようとする姿に。「えっえっ!」思わず、膝を乗り出してしまった。

舞台は一転、舞台の最前列に席どった私の前に、紋付袴のイケメン二人が三味線の伴奏で「常磐津」を。

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娘が鬼に。鬼は武将を引っつかみ空中に飛び去ろうとする。武将は鬼の腕を切り落として北野天満宮の屋根へ落ち、鬼女は片腕を失ったまま雲間に飛び去って行った。

片腕を失っても、鬼女は凛として生きていく。

翌日、鬼女が、私の事務所に。「先生!右腕ありますよね~!」ああ~~良かった。

 

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デュランタの花

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秋風に身にしむ色や紫のはな

孫娘がスペインに帰ってから2週間も過ぎてしまった。うん十年振りに夏痩せをしていた。お腹周りがスッキリ、太ももも少し細くなっていた。今朝は、捨てようとしていた数年前に購入した白いパンツをはいてみた。「やった~!はけた!」

6時25分から10分テレビ体操をしてから、白いパンツをはいて紫のシャツを着て事務所に来た。

事務所の前のビルには、風にふかれて紫色のデュランタの花が。

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デュランタの花言葉は、「あなたを見守りたい」。

若き日は見えざりしこの風のいろ身にしむ色の風の秋なる(藤原定家)

 

 

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秋来ぬ

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秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる(菅原敏行)

孫娘との1か月の夏休みがあっと終わってしまった。楽しい思い出を沢山持って、娘と孫娘がスペインのグラナダに帰って行った。

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孫娘がスペインに帰ってしまってから、珍しく夏の疲れが出てしまっている。齢のせいにしている。

 

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