蝋梅
顔近づけて蝋梅をくもらせぬ(松本敏子)
天皇誕生日の23日、国立劇場大劇場に「日本舞踊の各流名手花形競演、第96回女流名家舞踊大会」に行ってきた。私が尊敬する友人が昼の部の最後に「英執着獅子」を舞うということで、有楽町から歩いて半蔵門の国立劇場に。劇場前の日本庭園にはまるで蝋細工のような「蝋梅」が咲いていた。梅のなかまではないが、寒いうちから梅と同じ時期に咲くので、梅になぞられたのだそうで甘くて爽やかな香りがする。
蝋梅のとなりには、白梅と紅梅が仲良く並んで咲いていた。
この4月で小学6年生になる中学受験を控えている孫に、以前こんなことを聞かれたことを思い出した。「麻子ばぁばぁ~って、白門の大学だったよね!おじいちゃんは赤門の大学だったよね~」「それがどうしたの?」「白と赤って仲良しだよね!なんで麻子ばぁばぁ~は、おじいちゃんと仲良くできなかったの?」「なんでだろうね~!」
劇場のロビーには、和服姿の素敵なおば様や玄人筋の女性達が想定外に大勢いた。艶やかな女形舞踊の最高峰ともいえる華やかな桜づくしの舞台のうえで、両手に牡丹の枝を持ち、花に戯れ舞い狂う友人の姿に、拍手喝采。心が震えた。素晴らしい舞台だった。
帰り道で見えた桜田門の白い壁と青い空にも感動。白は青とも仲良しなんだ。「仲良きことは美しきことなり」。こんど生まれ変わってきたらおじいちゃんとも仲良く暮らしたいものだ。
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