シクラメン
シクラメン花のうれひを葉にわかち(久保田万太郎)
大好きな友人が、自宅の近くの懇意にしているお父さんとお母さんと3人の息子さんが丹精こめて作っている花屋さんからシクラメンを送ってくれた。ピンクとホワイトのグラデーションが微妙に調和していて優しい気持ちになれる。
「真綿色したシクラメンほど清々しいものはない 出会いの時の君のようです ためらいがちのかけた言葉に 驚いたようにふりむく君に 季節が頬をそめて過ぎてゆきました
薄紅色のシクラメンほどまぶしいものはない 恋する時の君のようです 木もれ陽あびた君を抱けば 淋しささえもおきざりにして 愛がいつのまにか歩き始めました
疲れを知らない子供のように 時が二人を追い越してゆく 呼び戻すことができるなら 僕は何を惜しむだろう」
シクラメンは和名では、篝火草というらしい。花は炎のようで、かがり火を思わせるところから、カガリビソウとの名がある。そういわれてみると、燃えるような深紅色のシクラメンがこの季節には花やさんの店頭を飾っている。シクラメン遠くどこかで火山噴く(立松のぶを)
シクラメンは、地中海沿岸地方が原産地で、元来は3~4月に花なんだそうだ。栽培技術の発達で、仲秋のころから鉢物が出回り、暮れから正月にかけて家庭で楽しめることができるようになった。ありがたい。ステイホームで、今年は鉢植えの花をじっくりと楽しみ、味わいたいたいものだ。
「薄紫のシクラメンほど淋しいものはない 後ろ姿の君のようです 暮れ惑う街の別れ道には シクラメンのかおりむなしくゆれて 季節が知らん顔して過ぎてゆきました」
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