映画の後に、山田正彦氏と原村政樹氏のお話があった。山田氏は70代、原村氏は60代、お二人ともお若い。志を持って人生を生きている人、独特のオーラを感じた。
監督は,訥々と話された。「今年の2月ごろ、種苗法の法改正の動きが騒がれ始めました。法改正は、良くないという意見と、必要だという意見が真っ向から対立しています。確かに、自家採種している農家の人にとってみれば、大きな打撃です。一方、種苗開発者にしてみれば、『待っていました』ということになります。
どちらの言い分を聞いても『なるほど』と思います。そこで、この作品では、理屈で対立するよりも、実際に作物という命をタネから育てている人達が、どのような人たちで、どうゆう思いをこめているのか。そういう彼らのこころを伝えたいと思いました。
撮影を始める前、私自身、種苗法はなかなか理解できませんでした。正直、扱うのが怖かった。僕の力では、これを表現することは難しいと思っていました。しかし、農業現場の人達の話を聞いているうちに、この法律は危ないと思うようになりました。もし改定するのであれば、育種農家も自家増殖農家もお互いが納得できて、対立するのではない改正をしてほしいと思います。」監督の実直なお姿に、弟に会ったような、優しい気持ちになった。
プロジューサーは、切々と話された。「同法案のなにが問題なのか。同法が成立すると生産者にどのような影響ができるのか。メディアはほとんど報じていない。拙速な法案成立は日本の農業に取り返しのつかない禍根を残す可能性があります。さらに、同法案は、11月の始めから、衆議院で審議されます。閣議決定の時点で施行日が12月1日と定められています。地元の国会議員に『慎重に審議してほしい』と要望をして下さい、そしてひとりでも多くの方にこの映画を見てもらいたい、よろしくお願いします」。
山田正彦氏は、弁護士で元農水大臣で、若い頃、五島列島の福江島にて農業もされたご経験がおありだとのこと、「なんとしてでも日本の農家を守りたい」との一途な思いと深い気迫に、心が熱くなった。
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