医師に宛てた息子の手紙
「電話もない来客もない仕事もない」。仕方がないので、息子の病気のことを書くことにする。医師からは、「手術中に出血多量により、命の危険があるかもしれませんので、手術前に承諾書にサインをしてください」とのことだった。言われるままにサインをした。
書類のなかから息子がその日の夜に病室で書いた「医師に宛てた手紙」の下書きがでてきた。
「脳出血のリスクを減らすためのご方針、そして腫瘍の全摘のために必要やむをえない場合は、正常な小脳細胞を腫瘍とともに切除する旨、理解いたしました。しかしながら、正常な小脳細胞の切除による後遺症の内容と程度について強い不安を抱いております。
正常な細胞を傷つけることなく腫瘍のみにアプローチする方法が可能であれば、たとえ手術時間が長時間に及ぶ場合でも、正常な細胞へのダメージがなるべく少なくなる方法をとっていただきたく存じます。先生方を信頼いたしております。くれぐれもよろしくお願いいたします」。
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