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秋桜

心中をせんと泣けるや雨の日の白きこすもす紅きこすもす(与謝野晶子)

今日は、被後見人のKさん宅に伺った。私がご縁をいただいてKさんの後見人になってから早いもので4年も経った。ご本人は「今のお住まいが気に入っているので、できるだけ最後まで家ですごしたい!」とのことなので、社会福祉協議会、高齢者総合サポートセンター(かがやきプラザ)、訪問介護事業所(定期巡回・臨時対応訪問介護看護)、居宅支援・介護サービス事業所等々の介護福祉士、社会福祉士、介護支援専門員、看護師とチームを組んでお世話している。

成年後見人である私の仕事は、財産管理と身上監護だ。平たくいえば、kさんの財産がkさんのためだけに使われるように管理して、Kさんが望むような生活ができるように支援することである。

この成年後見制度は、平成12年4月1日から施行された。ということは、今年が平成26年だから14年経過したことになる。成年後見制度の理念は、①自己決定(自律)尊重、②身上保護の重視である。自己決定の尊重とは、能力が低下してしまった場合でも、その人の残存能力を活用して、最後の最後までその人らしく過ごすことを尊重すること。身上保護の重視とは、財産の保全だけではなく、その人の自立支援を重視すること。

今日、私がkさん宅に伺うと、kさんはヘルパーさんが作ってくれた昼食には、ほとんど手をつけないで、テレビを見ていた。テーブルには、昨日の夕刊と今日の朝刊がビニールの袋に入ったまま。

「今日は、生憎の雨になってしまいましたね!今年は台風の当たり年で雨の日が多いですね!」「そうね!」「あら?お昼ごはん、召し上がってないですね!」「食欲がないの!」「あなたお昼ご飯まだでしょ!これ食べて」「はい!それでは、半分いただきます。半分は、kさん食べて下さいね!」kさんは、私のために台所に行って、おはしとお皿をもってきてくれた。

私とkさんは、半分づついただいた。「ひとりで食べるより2人でたべるほうがお美味しいわ」「では、私のお土産のぶどうをいただきましょうね!」「 あら!甲府のぶどうね!実家に帰りたいわ!」「そうですね!帰りたいですね。」ご馳走でした。「一緒にお皿を洗いましょう!」

「さて、私はこれで帰ります。ご馳走さまでした!」「もう、帰っちゃうの」「はい、お名残りおしいのですが」「私も一緒に帰るわ!」「はい!一緒に帰りましょうね!でも、今日は雨が降っているから、、、、」kさんも私も田舎から出てきて東京に住みついたものどうし、こんな雨の日は、物寂しくなる。実家に帰りたい。でも実家はもうない。故郷は遠い。

帰り道、雨上がりの遊歩道に秋桜が揺れていた。やさしく可憐に、でもしたたかに。

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