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現役引退

33歳の現役引退

男子水泳平泳ぎの北島康介選手が、10日現役引退の記者会見を行った。「ここまで真剣勝負をさせてもらえたことが幸せな選手生活だった。本当に悔いはない」その晴れやかな表情に、「いよいよこれから本当の人生が始まるね!」と、思わずエールを送った。
私と娘の正恵が、日本水泳連盟の上野監督と平井コーチと北島選手にあったのは、正恵がローマに留学していた頃だったから、15年前のことだ。私と上野監督のお兄ちゃんと同じ齢で、青年会議所の仲間だったことから、正恵がローマから一時帰国していた時に、「向島にフグを食べに行こう~!」と、誘っていただいた。そこに、北島康介選手がいたのだ。
上野君(青年会議所の同級生は、ちゃん、とか君とかでお互いが呼び合う)が、弟君の上野監督に紹介してくれた。「麻子ちゃんとお嬢ちゃんの正恵ちゃん!」「初めまして、阿部麻子です。今日は、お兄ちゃんから声をかけていただいて、たまたまローマから一時帰国している正恵と、フグにつられてやってきました」「正恵ちゃん、ローマにはいつ帰るの?」「明日です」「僕たち、一週間後にローマに寄ってサルディニア島でトレーニング合宿に行くんだよね」「そうなんですか、ローマに着いたら連絡下さい、ローマをご案内しますよ!」ということで、正恵は彼らとローマで再会して、ローマの休日を楽しんだようだ。
「ママ~!サルディニア島の合宿の後にバルセロナで、世界水泳大会があるんだって!」「ヘェ~、それがどうしたの?」「世界大会にきてくれ!って」「正恵が行って、なにするの?」「ごはん、作って欲しいんだって!」「ヘェ~、そうなんだ!行ってあげれば」「じゃ~そうする」
なんて軽い母と娘なんだろう。この軽さのおかげで、それからの母と娘の人生は、波瀾万丈だ。因みに、正恵はアテネのオリンピックでも選手たちのごはんを作った。
あれから15年、正恵はスペインのグラナダで、レストランのオナーシェフに。北島康介選手は、オリンピックの金メダリストに。約3か月前にスペインのグラナダで行われた高地トレーニングに北島選手が、5度目のオリンピックに挑戦するために参加した。そのとき平井コーチ率いる選手たちと北島選手が、正恵のお店(レストランテマサエ)にごはんを食べに来てくれた。
「ママ~!みんなが、美味しい美味しいっていっぱい食べてくれたよ!ソフィア(孫娘)も丁度お店に来ていたんで、皆に可愛い~!っていわれてたよ!」
改めて、出逢いに感謝。加えて、北島選手の新しい人生に「がんばれ、にっぽん!」

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