大歌舞伎その2
昔も今も変わらぬ人間欲
牡丹燈篭は、あの天才落語家の三遊亭円朝の傑作として知られている怪談話だ。原作者の円朝(猿之助)が劇中に登場し、高座で話す。
フリー百科事典によると、初代三遊亭円朝は、江戸・東京の落語中興の祖として有名。敬意を込めて「大圓朝」という人もいる。二葉亭四迷が、「浮雲」を書く際に圓朝の落語口演筆記を参考にされ、明治の言文一致運動にも大きな影響をおよぼした現代の日本語の祖でもある。滑稽噺より人情噺や怪談噺など講談に近い分野で独自の世界を築いた。
この怪談噺は、明治25年7月に歌舞伎座で、五代目の菊五郎の主演で行われた。人間の欲望の深さを巧みに描き出している。
夜も更けて、伴蔵(中車、俳優の香川照彦、猿之助と浜木綿子の子供)が家に帰るとお峰(玉三郎)からお国とのことを問い詰められて、お国と別れると約束をするが、、、
伴蔵は、お峰に「出ていけ!」と言ってしまった。すると、お峰は「手切れ金に百両を出せ!」と、、、その結果、悲劇に。
玉三郎さんのテンポのよい演出と、加えて凛とした女形の役者さんの着物姿に、「いょ~日本一~!」
今も昔も変わらないのは、人間の煩悩(貪り、妬み嫉み)。わが身を振り返ると、あの時に欲をださなければ、、、あの時に嫉妬しなければ、、反省しきりである。欲もほどほどにしないと、とんでもないことに。「くわばら、くわばら!」
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