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アリスのままで

もうすぐ私はすべてを忘れる。けれども愛した日々は消えはしない。

昨日、大好きな友人を誘って銀座で映画を見てきた。映画もひとりで観るよりふたりで観る方が良い。少々重たい映画だったので、なおさらだ。

「すべての記憶を失う若年性アルツハイマー病と宣告されたらあなたはどうしますか?」ありがたいことに、もし、今私が、アルツハイマーと診断されても若年性ではないので、この質問には答える権利はない。因みに、40代から65歳までに発症した場合に若年性アルツハイマー病といい、老年期発症に比べて進行が速い。

50歳のアリスは、コロンビア大学の教授、夫は、医学博士、娘2人、息子1人の絵にかいたような幸せな家族。講演中に言葉がでなくなったり、ジョギング中に迷ってしまったり、料理の手順がわからなくなったり等々の病状がでてきたので、精神科の検査をうけて、若年性アルツハイマー病と宣告される。

何度も同じことを言い、聞き、同じことをする。置き忘れやしまい忘れが目立ち、化粧、料理、買い物をしなくなり、以前は熱中したことにも興味や関心を示さなくなる。理解力や判断力が低下して、重度になると自分が誰だかわからなくなる。

演じたジュリアン・ムーアは、第87回主演女優アカデミー賞を受賞した。そして、筋委縮症側策硬化症という進行性の病と闘いながら映画製作をした監督のリチャード・グラッツアーは、受賞後20日足らずで死去。なにか因縁めいたものを感じた。

「誰のせいでもない苦しみ」を監督自ら体験していたから、この映画は、心に響くのだろう。生きるとは、愛とは、家族の絆とは、、、久しぶりに考えている。

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